その他の情報セキュリティ法規や標準 – 労働・取引関連の法規(その1)の続きです。
請負契約や準委任契約が、ソフトウェア開発においてよく用いられます。
契約した仕事を完成させる責任があるのが請負契約なのに対し、善良な管理者としての注意義務である善管注意義務はあるものの、完成責任のないのが準委任契約です。
経済産業省では、産業構造・市場取引を可視化する取り組みで、情報システム・モデル取引・契約書をとりまとめて公開しています。
関連して、一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)が、ソフトウェア開発委託基本モデル契約を公表しています。
ネットの取引に関しては、特定商取引法や電子消費者契約などがあります。
訪問販売や通信販売などを規制する特定商取引法、電子商取引などによる消費者の操作ミスを救済する電子消費者契約法があります。
ネットにおける新しい著作権ルールの普及を目指すプロジェクトとして、著作者が自分で著作物の再利用を許可するためのライセンスを策定するクリエイティブ・コモンズというプロジェクトがあり、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスには、著作権がある状態、著作権が消滅して放棄された状態のパブリックドメインの中間に位置するものまで、様々なレベルのライセンスがあります。
ソフトウェアの知的財産権の所有者が第三者にソフトウェアの利用許諾を与える際に取り決めるのが、ソフトウェア使用許諾契約、いわゆるライセンス契約です。
ボリュームライセンス契約、サイトライセンス契約、シュリンクラップ契約といった様々な種類の形態が、許諾する条件によってあります。
オープンソースのライセンスでは、ソフトウェアの原作者がどのようなライセンスを採用するかは、自由になっています。
考え方として、次のことを確認します。
1.コピーレフト
著作権を保持したままで、二次的著作物も含めて、すべての人が著作物を利用・改変・再頒布できなければいけないという考え方
2.デュアルライセンス
一つのソフトウェアを異なる2種類以上のライセンスで配布する形態で、利用者は、そのうち一つのライセンスを選ぶ
3.General Public License(GPL)
オープンソースソフトウェアのライセンス体系の一つ
コピーレフトの考えに基づく
GPLソフトを再頒布する場合、GPLのライセンスを踏襲する必要あり
4.Berkeley Software Distribution(BSD)
これもオープンソースソフトウェアのライセンス体系の一つ
GPLに比べ、制限の少ないライセンス
無保証の明記、著作権及びライセンス条文を表示すること以外は自由
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